陽だまりの彼女カウントダウン

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潤くんにならって先人の名言をお勉強

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潤くん愛が溢れすぎて、ときどき熱すぎる語りになる場合がありますが、
生ぬるく見守っていただければ幸いです。^^;



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あゝ、荒野。感想(1)
2011-12-05  

舞台の全てが印象的と言ってもいいほど、どの場面も鮮烈で、意味をもったシーンだったので、全部をレポしようと最初は意気込んだのですが、
文字数が膨大な事になってしまうので断念。
断腸の思いで、自分的な要点だけをザックリ抜き出しました。

キャスト、演出、全てが、架空の新宿そのものに感じられ、すっかり、この世界に入り込んでしまったため、演技論、演出論は語りません。(語るほどの言葉も持っていません。^^;)
そして、今回ばかりは、潤くんキャー!も無しで。^^

(1)はあらすじ混じりのキャラ解釈で、(2)でこの作品の感想書いてます。
でも結局、自分のための覚書みたいになってしまいました。
だいぶ、とっ散らかってます。
えーと、それから「 」内の話し言葉は、多少要約していて、セリフそのままではない所もあります。

読みにくいとは思いますが、メモリアルとして、愛をこめてここに記します。




死の誘惑、セックス、暴力、親に対する愛憎、性のコンプレックスなど、普段タブーとされ口にすることもできずに閉じ込めたままの、人々の心の深淵を見るような舞台。
だけど新次はそこから何度でも再生する希望であると私には思えました。

全ての人々の言葉が、一見バラバラなようでいて、
謎解きのように、最後の新次とバリカンの対決に繋がっているのですが、
そうとは思わせないほど、
どの登場人物も、それぞれに必死で現実にもがき、それぞれが生に苦悩する人間模様を描いています。
また、不格好に生きるすべての人が、痛々しくも愛おしく感じるのは、
この舞台に関わったすべての人が、愛を持ってこの作品を作りあげたからでしょうか。

コラージュのように様々な心情が織り込まれている作品なので、その時の心境によって全く違う感想をもち、違う人に愛着を持つと思いますが、
今回、私は新次と芳子に、特に肩入れしてしまったようです。


ライン
■新次、
天井にはジャズ喫茶、銀映館、トルコ風呂、COFFEEといった、赤や緑のネオンがまたたき、
人々が行きかい、床屋の赤と青のサインが回る。
中央でパワーショベルの上に乗った演歌歌手が朗々と歌い上げ、

埃っぱく雑然とした昭和の香りのする街が、徐々に舞台上に完成された。
そんな中、トラックの屋根に乗った新次が仁王立ちで、
新宿の街を睨めつけるように登場する。

まだ何者でもないが、何者かになろうという野望にギラついていて、
雄の色香を漂わせていた。

物腰は悠然として、常に現実を油断なく見据えるような視線かと思えば、
欲望と言えるほどの熱い夢について、飢えたように語る男。

けれど、野生のものがそうであるように、常に自己に集中し、
他者を陥れようとする雑念がないために、一見してチンピラ風だが、汚れがない。

他に迎合しない強さからそれが不遜にも映り、人から強い反感を買いやすく、反面、誰もが無視できないような、強烈な個と美しさで、人々の心を揺さぶらずにおかない存在。


■バリカン、ボクシングに天賦の才を持っているが
この世界の泳ぎ方を知らず、今にも溺れそうにもがいている。
繊細すぎる青年。

明らかに異質であるが故の孤独な二人だからこそ、新次とバリカンは共鳴したのでしょうか。


■芳子、つかみどころがなく不思議な透明感と色気がある
少女のような女性。
彼女が身を包む、赤いコートと赤い長靴は
童話「赤ずきん」を準えているように思います。

・芳子の告白
幼少期から思春期まで母とその男達の元でどう暮らしてきたか、
そして、結果として母を殺したこと、
そうしなければ自分が殺されていたという芳子の話を聞き終えると、
新次は気のないような大きなあくびをする。
一瞬気が削がれたように「なによ、それ」という芳子に、
「俺は女の話は一切信用しないんだ。もしかしたらそれは本当のことかもしれない。でもな、それが一体どうしたっていうんだ」と言う。

それに対して「親殺しの女なんて嫌でしょう?」「自分の親を殺した人間なんて嫌でしょ?」と、確認するように、問う芳子。
新次は「別に」と、
そして「殺されたのはお前だろ」とサラリと言う。

そこには深い痛みの前に口先の同情が何の役にも立たないと知っている、
新次のこれまでに背負ってきた過去が伺えた気がします。

「わかるぜ・・・俺にはわかるんだ、一度殺されたことのある人間は、もう誰も信じない。誰かを愛しても、どうしていいのかわからない。だからその相手を徹底的に痛めつけようとする。傷つけようとする。自分がそうされたように」
「そんな単純んじゃないわ、私」
「そうかい。どんな風景を見て生きてきたのか知らないけど、俺はお前が好きだぜ」

そして彼女の罪も哀しみも、責めるでもなく労わるでもなく、
ただあるがままの事として受け入れたような、端的な許しの言葉は、彼女の心に凝り固まった闇を、震わせたに違いないと思うのです。

芳子のある種の幼さを滲ませる様は、母やその情夫よって心理的に殺された時に、彼女の時間もまた止まってしまった為かもしれない。

幾人もの男とセックスをすることで、凄惨な記憶のやり直しをしようとしていた芳子。
それに終止符を打てたのは、新次だけだったのではないでしょうか。

後に、何度も逢瀬を重ねた芳子が
「あんたがさっき、口の中で射精したのが、あたしの心臓までとどいたらしいの。」「心臓が濡れているの。胸の中が、雨上がりのようにすうっとしている」
という表現でそれを現してると思います。


■早稲田大学自殺研究会、社会のレールに上手く収まった、子息、息女。
虚無に囚われていて、理屈屋でバーチャルな世界観を持つ。

自殺研究部が会合をしている喫茶店。
川崎が「何しろ僕は21年かかって死ぬ準備をしてきたんだ、生まれてからずっとね」と仲間と語っていると
今しがた店に現れ、ソファのふちに腰掛けた新次がふいに
「じゃあ、あんた方はいつ、生きる準備をしたんだね?」とシレッと話に加わる。

粗野な闖入者の新次を馬鹿にしきった態度の研究部の面々の中で
川崎と、相沢は比較的友好的だ。
頭のいい人特有の切り替えの速さがある。

「自殺は弱いものいじめだ、誰と戦っても勝てないから自分を虐める」と言う新次に
「単純だな、もっと崇高で気高いものも人間にはあるんだよ」と反論する川崎だが、言葉は空虚である。

新次のボクサーの話しに話題を振った川崎に答え
「自分がすごくなるのは分かっているが、どう凄いのかは俺にも分かんねぇな、
見てのお楽しみってやつだ。
いずれチャンピオンになるし雑誌を飾るだろう。
今のうちにそばで実物をじっくり見ておいたらいい」
と、安々と迷いなく自分のリアルな欲望を言い放つ新次に
興味を引かれた様子の二人は、新次の試合の切符を買い試合を見に行くと約束する。

野生のような新次と、社会に培養された自殺研究部の面々の
偶然でしか出会わない対局が面白く、世界に奥行を与えています。

また、自殺研究会は、後の新次とバリカンの運命を暗示するような存在でしょう。

■バーにて新次と片目の会話。

饒舌だが、自分の弱みは容易には見せない周到な用心深さを備えている新次にとって、片目は数少ない肩の力を抜いて弱い部分も含めた本音を言える相手のよう。

「・・・俺はこう見えて実は努力家だから、いつだって鍛えていなきゃダメなんだ。ムショにいた時だって、トレーニングを欠かしたことなんてなかった。いつかこの肉体で社会に切り込んでいくんだ、だから鍛えておかなきゃ、もし自分の番が来たときには、運命に打ち倒されてしまうんじゃないかと恐れていたからだ、本当は俺の方が臆病者で、バリカンの方が勇気があるのかもしれないな」と落ち着いたトーンで語る新次。
片目といるときは、いつもの人を食ったような笑ではなく、時に歳相応の柔らかい笑を見せる。
新次にとって片目は父親のような存在だろうか。


■公園での新次とバリカンの会話。
バリカンの話は、ほとんどの人が話を聞いていないか、途中で遮られてしまうか、
黙って聞いてくれる彼に一方的に話すだけで、まともな対話が成り立たないが、新次とは、吃りこそあれ対等な会話が成立している。

けれど、バリカンの思考は暗い。
そんな彼に、ジャングルジムに登った新次が「来いよ」と手を差し伸べる。
地上よりは幾分高い目線で、街と空を見る二人。

夕暮れの時が過ぎ、街のネオンの燃えるような赤と、瞬きはじめた空の星しか見えない夜の闇へと時が移り、
語り合う束の間、新次とバリカンは、世界に二人だけのように強く心を通わせたように見えたのですが、

この後、バリカンは新次とボクシングで対決するために、事務所を移る決意を片目に打ち明けるんですね。
新次へはバリカンからの手紙が届きます。

ラブホテルのベッドでそれに目を通した新次は
芳子の呑気な問いかけに
緩慢な仕草と、苦いものを飲んだような重い声で、
しかし、芳子に変化を気付かせないくらいのクールさを持って、対戦相手であるバリカンのことを、自分自身に言い聞かせるように話す。

それに対して芳子は新次への想いに夢中で、あまり真剣に聞いている気配はなのですが、
男女というものは、ある部分では全く相容れない、分かり合えていなくても
元から違うのだから気にも止めないという、怠惰な隙があるからこそ、救いがあるのかもしれません。


■そして、別々の場面で進行していた物語が一つの舞台に集まる。
ラブホテルでは「私たち結婚するの?」と聞く芳子に「知るか」とそっけない新次。
喫茶店で独白するバリカン。
廃墟で会合をする自殺研究会の人々。

もう一度「結婚するの?私たち」と聞く芳子に
今度は半ば吹っ切ったように「子供何人ほしい?」と新次が明るく答えたところで、
雷鳴がとどろく。

暗転。
舞台中央に立っている新次。
周りは、今まで別の場所で出会っていた、または出会ってもいない人々が取り巻いている。
口々に「裏切り者!」「お前は誰だ!」と責め立てる声。
ジャングルジムから覗いた川崎が「お前の欲望はそんなちっぽけなものだったのか」と問い詰める。片目もいる。
激しく責め立てる声が止は止まない。

これは、新次という圧倒的な光を放つ存在に、勝手に期待していた傍観者の失望の声と、新次自身の内面の葛藤の両方を表しているように思います。

芳子と子供を作り、平凡な家庭の幸せに逃げようとする新次に対して
お前はそんな何処にでもいるような男だったのか!と。

自殺研究部の川崎は尚も辛辣な言葉を投げかける。
彼もまた、新次に憧れ、夢を見せてくれることを熱望した一人なのだろう。

いつしか「お前は誰だ!」の声は、
客席の方に向かう。
観客を覚醒させるように声は大きくなる。

しかし、新次はシャドウボクシングをしながら、応える。
「俺は・・・俺に与えられたものは全て頂戴するんだよ。生きる喜びも、哀しみも全部な。あれはいいけどこれは嫌だなんて、そんなつまんねえ事はいわねえ。
ディズニーランドがいけないのか?楽しいじゃないか。悪いかよ。
ポップコーンだって食うぜ。お面だってかぶるぜ。それが楽しきゃな。
・・・・頼むからお前らの惨めな人生を、俺に投影しないでくれよ。俺の欲望は大きいんだぜ。お前らとは違うんだ!」
「俺は俺だ!この肉体が俺だ!」と挑むように言い放つと、傍観者の合唱のような声が止む。

舞台からおり、一人になった新次は「俺は、受け入れるよ。栄光のために、勝利のために何もかも受入れる」と決意するように言うと。

「バリカン!お前の亡骸さえ、俺は抱きしめてやるぜ!」
と叫びます。
同じ夢に向かい、心を通わせたはずの友から突きつけられた、残酷で切実な願いとも、勝負することを誓うように。



■後楽園ホール二人の対決の日。

二人の戦う白いリングが中央に
死んでしまった娼婦のマリーが、そのリングの前に天使となって現れる。
柔らかな白い光の中、
影となって宙に浮かびあがるマリーの姿は神聖な儀式の始まりを連想させ、
この戦いの行方を暗示するような重々しさで、観客を最後の舞台に誘う。
ライン
以下、(2)続きマス。
なんか・・・既にとりとめもなくなってますがー。
やはり、最後の結末についてが一番、悶々としましたし、考えさせられ
書いて置きたかったことなので、別紙(2)へ、つづく→
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2011-12-05(Mon) 11:53| あゝ、荒野| トラックバック 0| コメント 0

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